疾患

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)

膝蓋腱炎は、膝蓋骨(膝のお皿)と脛骨(すねの骨)をつなぐ腱=膝蓋腱に炎症や損傷が生じるスポーツ障害です。
特に、ジャンプやダッシュを頻繁に行う競技(バレーボール・バスケ・陸上など)で多く見られます。

💡主な原因

  • ジャンプ・着地・ダッシュの繰り返し
  • 大腿四頭筋の過剰な負荷
  • 筋肉の柔軟性不足
  • 不適切なフォーム
  • 硬い地面でのトレーニング
  • シューズのクッション性不足

🧠症状

  • 膝蓋骨のすぐ下(膝蓋腱の付着部)に痛み
  • 最初は運動後の違和感や痛み
     → 徐々に運動中・日常生活でも痛む
  • 押すと痛い(圧痛)
  • 階段の上り下り・しゃがむ・ジャンプ動作で痛みが出る

🩺診断

  • 問診・触診(圧痛部位の確認)
  • エコー検査:腱の肥厚、血流増加の有無
  • MRI:炎症や腱の損傷の程度を詳しく確認
  • X線は骨に異常がある場合のみ参考(例:膝蓋骨の形異常など)

💊治療法

🔸保存療法

  • 安静・運動制限
  • アイシング
  • 消炎鎮痛剤
  • ストレッチ
  • 筋トレ
  • テーピング
  • 膝サポーター

🔸難治例・慢性例

  • 体外衝撃波療法(ESWT)
  • PRP療法(多血小板血漿)
  • 超音波治療

🧘‍♀️再発予防とリハビリのポイント

  • 運動前後のストレッチ(特に大腿四頭筋)
  • 体幹・股関節・膝周囲の筋力強化
  • エキセントリックトレーニング(例:スロースクワット)
  • フォーム修正(着地の衝撃を吸収できるように)
  • 負荷の調整:急な運動量増加を避ける

📌 関連疾患との違い

疾患名 痛みの部位 特徴
膝蓋腱炎 膝蓋骨の下 ジャンプ・ダッシュで悪化、押すと痛い
オスグッド病 脛骨粗面(すねの出っ張り) 成長期の子どもに多い
膝蓋大腿関節症 膝蓋骨の裏 階段や長時間座った後に痛む
鵞足炎 膝の内側下部 ランナーに多く、曲げ伸ばしで痛む

□運動器疾患とスポーツ外傷・障害(一般社団法人日本スポーツ整形外科学会HPより)
 https://jsoa.or.jp/pamphlet/locomotive/