疾患
首・肩
頚椎症
「頚椎症(けいついしょう)」は、加齢などにより首の骨(頚椎)や椎間板が変性して起こる疾患の総称です。首や肩のこりだけでなく、腕や手のしびれ、筋力低下、さらには歩行障害まで引き起こすことがあります。
🔍主な分類
頚椎症には大きく3つのタイプがあります。
| タイプ | 圧迫される場所 | 主な症状 |
|---|---|---|
| ① 頚椎症性神経根症 | 神経根 | 片側の肩・腕・手のしびれや痛み |
| ② 頚椎症性脊髄症 | 脊髄(せきずい) | 手足のしびれ、歩行障害、排尿障害 |
| ③ 頚椎症(一般型) | 明確な神経圧迫なし | 首のこり、肩の痛み、軽いしびれ |
💡主な原因
- 加齢による椎間板の変性(つぶれて高さが減る)
- 骨の変形(骨棘:こつきょく)
- 頚椎のズレや椎間板ヘルニア
- 長時間の不良姿勢(スマホ首・デスクワークなど)
🧠症状
- 首・肩のこり、痛み
- 頭痛(後頭部に出ることも)
- 腕・手のしびれ、だるさ、細かい動作の不自由
- 歩きにくさ(ふらつき)や足のしびれ(脊髄症タイプ)
- 排尿トラブル(重度の脊髄症)
🩺診断方法
- 問診・視診・触診
- 神経学的検査(腱反射、筋力、感覚テスト)
- X線(頚椎の骨の状態)
- MRI(神経や脊髄の圧迫を見る)
- CTや神経伝導検査(必要に応じて)
💊治療法
🔸保存療法
- 薬物療法:鎮痛薬、筋弛緩剤、神経障害薬
- リハビリ:ストレッチ、首・肩の筋力トレーニング、姿勢指導
- 物理療法:首の牽引、温熱療法、低周波治療など
- 生活習慣の改善:長時間のスマホ・パソコン作業を減らすなど
🔸手術療法(保存療法で改善しない、または脊髄症が進行している場合)
- 椎弓形成術
- 前方除圧固定術
- 椎間板摘出術 など
🧘♀️予防・日常のケア
- 適度な運動(ウォーキング、肩甲骨まわしなど)
- 姿勢を良くする(背筋を伸ばし、アゴを引く)
- スマホを見る時間を短く
- デスクワークでは定期的に首・肩を回す
- 枕の高さを見直す(首に負担がかからない高さ)