疾患
ひじ・手・腕
関節リウマチ
関節リウマチ(かんせつリウマチ、Rheumatoid Arthritis:RA)は、免疫異常によって関節が炎症を起こし、関節や骨が破壊されていく自己免疫疾患です。進行すると関節が変形し、日常生活に支障をきたすこともあるため、早期診断と治療が非常に重要です。
🔍関節リウマチとは?
- 自分の免疫が誤って関節を攻撃することで、滑膜(関節を包む膜)に炎症が起こる
- 炎症が持続すると、軟骨や骨が破壊されて関節が変形
- 全身に症状が及ぶ全身性炎症性疾患
🧠主な症状
- 手指や足の関節の腫れ・痛み
- 朝のこわばり(朝起きたときに関節が動かしにくい)
- 左右対称に関節炎が出やすい
- 疲労感、倦怠感、微熱
- 進行すると関節が変形し、日常生活動作が困難になる
📌好発年齢・性別
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 発症年齢 | 30〜60代が中心(高齢発症もあり) |
| 男女比 | 女性に多い(男性の3〜4倍) |
| 日本での患者数 | 約70万人以上 |
🩺診断方法
- 問診・身体診察
- 血液検査
- X線、エコー、MRI:関節の炎症・骨びらんの有無を評価
💊治療法(早期・積極的治療が基本)
🔸薬物療法(RA治療の中心)
| 薬の種類 | 目的・内容 |
|---|---|
| 抗リウマチ薬(DMARDs) | 関節の破壊を防ぐ。第一選択はメトトレキサート(MTX) |
| 生物学的製剤 | 抗TNFα抗体など。重症例・MTXが無効な場合に使用 |
| JAK阻害薬 | 内服タイプの分子標的薬。新しい選択肢として注目 |
| NSAIDs(非ステロイド) | 炎症・痛みを和らげる(症状の緩和のみ、進行は止めない) |
| ステロイド | 炎症が強い初期に短期間使用。長期使用は副作用に注意 |
🧘♀️リハビリ・生活指導
- 関節の可動域訓練、筋力トレーニング
- 関節に負担の少ない生活動作指導
- 装具の使用、福祉用具の活用
- 栄養管理、禁煙、ストレスの軽減
🧬関節リウマチの進行と合併症
- 治療せずに放置すると、関節が破壊され、手足が変形
- 関節外症状:間質性肺炎、貧血、皮下結節、心血管疾患など
- 長期にわたる炎症により、生活の質(QOL)の低下や寿命にも影響
✅早期発見のポイント
これらの症状がある場合は、早めにリウマチ専門医(膠原病内科・整形外科)を受診
- 朝の手のこわばりが1時間以上続く
- 複数の関節が痛む、腫れる
- 左右対称に関節痛が出ている