疾患

オスグッド病は、成長期のスポーツ少年に多い膝のスポーツ障害で、膝の下（脛骨粗面）にある膝蓋腱の付着部が引っ張られて炎症や痛みが生じる病気です。
大腿四頭筋が繰り返し引っ張ることで、成長軟骨に微細な損傷が起き、痛みや腫れを引き起こします。

💡原因

• 成長期に骨が急激に伸びる
  　→ 筋肉や腱がそれに追いつかず、膝蓋腱に過剰な牽引力がかかる
• スポーツによる繰り返しのジャンプやダッシュ
• 柔軟性不足（特に大腿四頭筋）
• 適切でないフォームや過度な練習

🧠主な症状

• 膝下の出っ張り（脛骨粗面）の痛み・腫れ
• 押すと痛い（圧痛あり）
• 運動中・運動後の痛み
• ひどくなると歩行や階段昇降でも痛みが出る
• 両足に起きる場合もある（片側が多い）

🩺診断

• 問診・触診(脛骨粗面の圧痛、運動との関連性を確認)
• レントゲン(骨の突出や剥離を確認することもある)

💊治療法

🔸保存療法

• 運動量の調整
• アイシング
• ストレッチ
• テーピング・サポーター
• 消炎鎮痛剤

🔸重症例

• 骨の剥離がひどい・骨片が残る → 稀に手術を検討
  ただし、成長が終われば自然に治ることが多い

🧘‍♀️予防・再発防止

• 十分なストレッチ（特に大腿四頭筋）
• 急な運動量の増加を避ける
• ジャンプやランニング時のフォーム改善
• 練習と休息のバランスをとる
• 靴の見直し（衝撃吸収性のあるもの）

⚠️注意点

• 痛みがある間は、無理な運動は禁止（重症化を防ぐ）
• 成長期に無理をすると、成長軟骨が剥がれる（剥離骨折）ことも
• 我慢して続けると、骨の出っ張りが強くなり、大人になっても痛みが残ることもある

□スポーツ損傷シリーズ(一般社団法人日本スポーツ整形外科学会HPより)
　https://jsoa.or.jp/pamphlet/sports-injury/