疾患

ばね指

ばね指(ばねゆび)は、指を曲げたり伸ばしたりする動作がスムーズにいかなくなり、途中でカクンとばねのように引っかかる症状が現れる病気です。医学的には「狭窄性腱鞘炎(きょうさくせいけんしょうえん)」と呼ばれます。

🔍 ばね指とは?

指を動かす腱(けん)が、腱鞘(けんしょう)というトンネル状の組織をスムーズに通ることで、指は滑らかに動きます。しかし、腱鞘が炎症を起こしたり、腱が腫れたりするとスムーズに動かなくなり、指が引っかかったり、ばねのように跳ねたりするのが「ばね指」です。

🧠 主な症状

  • 指の曲げ伸ばしがスムーズにできない
  • 指がカクン!と急に伸びる(ばね現象)
  • 朝起きたときに指がこわばる
  • 指の付け根に押すと痛いしこり(腫れ)がある
  • 重症化すると指が完全に動かなくなる

💡原因

  • 指の使いすぎ(パソコン・スマホ・家事・育児・楽器など)
  • 腱や腱鞘の摩擦による慢性的な炎症
  • ホルモンの影響(特に更年期・妊娠出産後の女性に多い)
  • 糖尿病・リウマチなどの基礎疾患がある人は発症しやすい

🩺診断方法

医師が以下の点を診て診断します。

  • 指の動きのチェック(ばね現象の有無)
  • 圧痛(指の付け根を押して痛むか)
  • 超音波検査(腱や腱鞘の腫れを見る)

💊 治療方法

🔸 軽度の場合(保存療法)

  • 安静:指の使いすぎを避ける
  • 装具やサポーター:夜間装具で関節を休ませる
  • 温熱療法:温めて血流を良くする
  • 消炎鎮痛剤(湿布・飲み薬)
  • ストレッチやリハビリ

🔸 中等度〜重度の場合

  • ステロイド注射(腱鞘の炎症を一時的に抑える。効果は高いが、繰り返すと腱が弱くなるため注意)

🔸 手術(腱鞘切開術)

  • 保存療法が効かない重症例で行います
  • 腱鞘を切開して、腱の動きを滑らかにする
  • 日帰り手術が可能なことが多い

🧘‍♀️予防・再発防止

  • 指の使いすぎを避ける
  • 作業中にこまめに休憩をとる
  • 指のストレッチやマッサージ
  • 持病(糖尿病・リウマチ)のコントロール