疾患
ひじ・手・腕
野球肘
野球肘(やきゅうひじ)は、野球の投球動作によって肘の関節に繰り返し強い負担がかかることで起こる、スポーツ障害(使いすぎによる障害)の一種です。特に成長期の小中学生のピッチャーやキャッチャーに多く見られますが、高校生や社会人、プロ選手にも起こります。
🔍野球肘とは?
🔸正式名称:
一般的には「野球肘」と呼ばれますが、医学的には、「肘関節障害」「上腕骨内側上顆障害」などと診断されることが多いです。
💡原因
野球の投球動作(特にボールを投げるときの腕の振り下ろし)では、肘に大きなストレスがかかります。
| 肘の部位 | 起こる障害 |
|---|---|
| 内側 | 腱や靱帯が引っ張られて炎症や損傷(内側側副靱帯損傷など) |
| 外側 | 骨同士がぶつかり、軟骨が傷つく(離断性骨軟骨炎など) |
| 後方 | 肘の奥の骨や軟骨がぶつかって骨棘(こつきょく:骨のトゲ)ができる |
🧠よくある症状
- 投球時や投球後の肘の痛み
- 肘の曲げ伸ばしがしにくい
- 引っかかり感や違和感
- 重度になると肘が完全に伸びない・曲がらない
👦特に注意が必要な年齢層
- 小学生・中学生の肘はまだ骨が成長途中なので、成長軟骨が損傷しやすい
- 成長期に無理をすると将来関節の変形や可動域制限が残ることも
🩺診断
- 問診と触診
- X線(骨の状態を見る)
- MRI・CT・超音波検査(軟骨・靱帯の損傷を確認)
💊治療
🔸 軽度(初期)
- 投球の中止(まずは休ませる)
- 冷却・消炎鎮痛剤
- ストレッチ・リハビリ
- フォーム指導・投球制限の見直し
🔸 中等度〜重度
- 長期間の投球中止(数か月)
- 装具やサポーターの使用
- 関節鏡視下手術(離断性骨軟骨炎や骨棘がある場合)
🧘♀️予防法
| 方法 | 説明 |
|---|---|
| 投球制限 | 年齢に応じた球数制限(例:小学生は1日70球以下など) |
| 十分なウォームアップ・クールダウン | 血流を良くして筋肉の柔軟性を保つ |
| 正しい投球フォームの習得 | 肘への負担を減らす |
| 筋力トレーニング | 肩・体幹・下半身を鍛えることで肘への負担を分散 |
| 定期的なメディカルチェック | 早期発見・早期治療が大切 |
⚠️ 放置するとどうなる?
- 慢性化して肘が完全に伸びなくなる
- 成長障害(骨の変形)
- 野球が続けられなくなる可能性も
□スポーツ損傷シリーズ(一般社団法人日本スポーツ整形外科学会HPより)
https://jsoa.or.jp/pamphlet/sports-injury/